2015年04月26日Part0(予告編)「ポジティブの現在/ネガティブの未来」
「ポジティブの現在、ネガティブの未来」
「ポジティブの現在、ネガティブの未来」予告編
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4月26日(日) 深夜25:00~28:00 (=月曜1:00~4:00)
出演:鈴木謙介、速水健朗、常見陽平、白河桃子、海猫沢めろん、西森路代、
塚越健司、斎藤哲也、中沢明子ほか
予告編の出演:鈴木謙介、速水健朗、海猫沢めろん、西森路代、斎藤哲也、
矢野利裕、長谷川裕P(黒幕)
※ラジコではインターネットで放送同様、音楽も聴けます。
※Ustreamによる動画生中継も行います⇒ http://ustre.am/lrQf
※今回からツイキャスでも中継します→ http://twitcasting.tv/life954
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charlieです。
ポジティブな気持ちで日々を過ごすことを悪く言う人はいないでしょう。どんなことであれ、どうせ失敗するだろうという気持ちで取り組んでもいい結果は出ませんし、くよくよしていても仕方がないというのも確かです。ですが、「前向きに考えていればすべてがうまくいく」とまで言われると、そんなことはないだろうという気がします。
最近、特に若い人と話していると「感謝」だとか「幸せ」というコトバが息をするように出てきます。「ありがとう」は「有り難い」もの、幸せとは日常のささやかな瞬間に仄暗く灯る明かりのようなものだと考える僕のような人間にとっては、そこまで感謝をインフレさせるのは、それこそありがたみが薄れるなあと思ってしまいますが、さりとて言われて悪い気はしないので、まあそんなものかな、とも感じます。
おそらくこれは近年「ポジティブ心理学」だとか「自己啓発」だとか、いくつかの分野で同時多発的に現れている現象で、また日本だけに限らない現象のように見えます。また、昨年この番組で扱った「ポエム化」の問題を振り返って分析した( http://goo.gl/aay136 )こともあるのですけど、こうした理念が非常に世俗的な成功や成長を目指すものであるにも関わらず、やはりその背後には宗教社会学的なメカニズムが働いているのではないかと僕は考えています。
そうした小難しい話でなくとも、最近ネットやテレビで「ネガティブ」な表現が忌避される傾向が、特に昨年くらいから強まっているように思いませんか。自分が非難されるのはもちろん、誰かと誰かの論争を見て暗い気持ちになるのも嫌。ヘイトスピーチは許せないけど、日本が褒められるのは嬉しい。「感動したらシェア」なエピソードとか大好き。教育や研修の場面でも、ブレインストーミングの入口は「まず相手の意見を否定しないこと」というルールを示すところだったりします。
こうした風潮に対して僕も「前向きになるだけですべてがうまくいくわけがない」と頭では分かります。でも他方で、もうどうにもネガティブなものの言い方に耐えられない、もっと楽しいこと、前向きなこと、他人への感謝、人生の悦び、そういうことだけ考えていたいという気持ちが抜きがたく芽生えてくるのです。もしこれが世の中の風潮のようなものとシンクロしているのだとしたら、それはどういう出来事で、どんなメカニズムによって生じているのか、そんなことを考えてみたいと思いました。
というわけで今月のLifeのテーマは「ポジティブの現在/ネガティブの未来」。松岡修造さんに元気付けられ、友達の心づかいに感謝し、四季の移り変わりに歓びを感じる、そんなポジティブマインドが溢れつつある現代の姿に迫ります。リスナーの皆様からも「ポジティブとネガティブ、最近のあなたが心惹かれるのはどちら?」というテーマでメールを募集します。「こんなポジティブ/ネガティブなものには耐えられない」というメール、あるいは実際に実践しているポジティブな気持ちを高める方法(毎日、感謝する出来事を探すとか、モチベーションを高める手帳術とか)なんかも募集しています。
メールアドレスは life@tbs.co.jp
メールはぜひお早めにお願いします!
ネガティブなことを嫌がる向きには、今回のテーマはポジティブな自己啓発を揶揄するもののように思われるでしょうし、そういう前向きさが耐えられない人には「Lifeがベタに自己啓発を始めた」と受け取られるかもしれませんが、僕らとしてはそのどちらでもなく、「何が起きているのか」をリスナーと一緒に共有したい、という気持ちが強いです。いろんな立場から番組に参加してもらえればと思います。
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