出演は、鈴木謙介(charlie)、仲俣暁生(フリー編集者)、
森山裕之(クイックジャパン編集長)
「失われた10年 ~Lost Generation?」
「ロストジェネレーション」という言葉が、この正月から、朝日新聞で特集されています。ロストジェネレーションとは、今の25~35歳の、不況の時に社会を出た世代のことを指すそうです。この世代は、就職難などで貧乏くじを引かされた一方、自分の独力で道を切り開いた人もいる、といったことが紹介されています。
でもこれは朝日新聞が作った言葉ではなくて、本当は、ヘミングウェイとかフィッツジェラルドといった、第一次世界大戦の後に青年期を迎えた作家たちのことを指す言葉(注1)。だとするなら、本当に「日本版ロストジェネレーション」と呼ばれるべきなのは、その時代を生きて、それぞれのフィールドで感じたことを、表現してきた人たちなんじゃないか(注2)。
というわけで今週は、日本の「失われた10年」、そして、その時代を描いてきた小説、マンガ、映画、音楽などのサブカルチャーに焦点を当ててお送りします。
「美しい国」(http://newtop.s-abe.or.jp/janews/653f6a2969cb60f3300c7f8e3057304456fd300165e5672c3002300d)だの「希望の国」(http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/vision.html)だの
「再チャレンジ」(注3)だのと、言葉だけは威勢のいい時代ですが、それってもしかしたら、「景気回復するんだからバブルを待ってればオッケーじゃん」なんて希望に満ちあふれた10代に、「あなたには夢がない」なんて罵られたりしかねないってことかもしれない。
そんな時代の変わり目の今だからこそ、失われた10年と、そこに生きたこと、そこで起きたことを、きちんと振り返っておきたい。そして、そこから生まれた文化や気分を、正しく評価したい。というわけで今週は、経済の話なんかとはちょっと違う「失われた10年」の話をしたいと思います。
リスナーの皆様には、「失われた10年を生きて、あなたは損した?それとも得した?」もしくは「失われた10年であなたが失ったもの、または得たものは何?」というテーマでメールを募集します。もちろん25~35歳の世代じゃなくても、「バブル入社組と言われて苦労した」とか、「小学生の頃から希望がないと言われつづけてウンザリ」とか、あなたなりの感想もお待ちしています。life@tbs.co.jp
※ご自身の年齢を明記してください
注1)サブパーソナリティの仲俣暁生さんが、この件について非常に熱のこもったブログを書いておられます(http://d.hatena.ne.jp/solar/20070104#p1)。ロスト・ジェネレーションは「失われた世代」じゃなくて「ダメな世代」なんだという指摘は、胸に刺さるものがありますね。
注2)実は、アーティストや作家の世界では、70年代後半生まれって割と不遇というか、最近になってようやく世に出始めた人の方が多いんですよね、70年代前半までも結構層が厚くて、80年代半ば以降からは突然元気になるのに。その辺、実は今回のテーマに絡んでいるのかもしれません。
注3)そもそも「チャレンジ」なんて、いつさせてもらえたんだ?
text by charlie
※10月に放送したAfter'95http://www.tbsradio.jp/life/20061028_after95/
の続編と考えていただいてもいいかもしれません。
バブル崩壊後のいわゆる「失われた10年」が
(もしくはバブルそのものが)、時代精神やサブカルチャーに
どんな影響を与えたのかを考えてみたいと思います。
リスナーの皆さんには「失われた10年」の影響が色濃く
現れていると思う作品についてもメールを頂戴したいです。
life@tbs.co.jp
※以前予告していたLifeバッヂが出来上がりました。
浅野いにおさんのイラスト&ロゴがあしらわれていて
なかなか素敵な仕上がりです。
メールが採用された方にお送りしますので、住所をお忘れなく。
プロデューサー はせがわ