2015年06月28日Part0(予告編)「いまヤバイ!人文社会系」
「いまヤバイ!人文社会系」予告編
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出演予定:charlie(鈴木謙介)、中森明夫、仲俣暁生、海猫沢めろん、塚越健司、
斎藤哲也、中沢明子、大西奈己、上林達也ほか
予告編の出演:charlie(鈴木謙介)、斎藤哲也、海猫沢めろん、西森路代、長谷川裕(黒幕)
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charlieです
いわゆる「人文・社会系」の学問に対する注目が集まっています。
どちらかというとネガティブな意味で。
安保法制を巡る憲法解釈論議では、合憲・違憲の判断を巡って多くの憲法学者が違憲と判断する中、政府関係者からは、学問としての憲法の研究、解釈を否定するような発言が続き、また昨年から進められている大学改革においても、人文・社会系の学部に対して予算削減、統廃合が示唆されています。どちらの問題も、中身に踏み込めばそれなりの事情もあるのでしょうが、全体としてみれば、日本版の「反・知性主義」というか、特に企業活動において人文・社会系の知識は役立たないどころか障害ですらある、という感覚が根強く存在することの現れかもしれません。
むろん実際には企業どころか、かつてはもっとも非合理なものの象徴だった「体育会系」においてすら、合理的で理知的なマネジメントが基本になっているわけですから、「下手に賢くなったって生きていくのに役立たない」なんていうのはそれじたい間違いだと思いますが、大事なのはそこではないと思います。
こうやって人文・社会系の旗色が悪くなると決まって出てくるのが「こうした学問はもっと世の中の役に立つことを示すべきだ」という声と、それに対する「人文・社会系の学問の意義は、役に立つとか立たないとかではないのだ!」という不毛な対立です。「役立つ」とかいう軸に載せた瞬間、「役立たなくても意義がある」という、どう聞いても魅力的には思えない反論しか出てこない。そうじゃないだろうと。
たとえば僕の師匠である宮台真司氏が90年代に登場した時、そこには明らかに「ヤバい」と思わせる何かがありました。何を言ってるのかまったく理解できないけど、この人はヤバい、という。その師匠筋に当たる小室直樹氏なんかは、もっとヤバかったという伝説も何度も耳にしました。そもそも大学という場所には、「デカルト何いってんのか全然わかんないっすよね」とか言おうものなら、そいつを飲み屋に引っ張っていって何時間も説教と講義を始める謎の先輩みたいなのがちょいちょいいたはずで、というか今でも僕が尊敬している先生方は共通して、どこか危ういような、あるいは世俗の価値を超越している、個性的って表現すると個性に失礼だ、くらいの人たちです。
そんなわけで今月のLifeは、人文・社会系の学問の扱いを巡って揺れている現代の日本の論調からは少しズレて、こうした学問の「ヤバさ」について語ります。題して「いまヤバい!人文・社会系」。リスナーの皆様からも「あなたがいま"ヤバい!"とお薦めしたい人文・社会系の人物や本、ヤバいと感じた場面などを教えてください」というテーマでメールを募集します。いま読み返すとヤバい本というのも歓迎ですが、できればそら寒い現代日本の状況でも、こんなにヤバい人がいるよ!というメール、お待ちしています。
メールアドレスは life@tbs.co.jp
ぜひお早めに!
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