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2012年8月 アーカイブ

2012年8月 1日

2012年07月22日Part8(外伝2)「動員と革命〜10万人で何をしようか」

撮影:会田邦秋
IMG_1998.jpg
   チャーリー(鈴木謙介)       開沼博さん      國分功一郎さん



※再生できない場合は、個別ページTBSラジオクラウドにてお聞きください。
※最新エピソードはユーザー登録なしでお聴きいただけます。

○ロックと革命
・今、社会変革と言うと...スマートなソーシャルイノベーション(charlie)
→そういう人々にロック魂を感じるか?(charlie)
・デモ的な盛り上がりに違和感を感じるのがロックではないか(黒幕)
・チャーリーの思う革命って何?(柳瀬)
→どこかでドラスティックな変化が起こること(charlie)
・長淵剛のライブの革命感(津田)
→それは革命なのか?(國分)

○理想の革命とは?
・革命を起こさなきゃいけない、という考え方はまずい(國分)
・気がついたらあれが革命だったね、というのが理想(津田)
・意識改革は、まず自分で考えようという主義(津田)
・ジョブズの革命が理想?(中川)
 →あれはライフスタイルを変えた(津田)
・日本に維新はあっても革命はない(柳瀬)
・革命というと「起動戦士ガンダム 逆襲のシャア」を思い出す(リスナー)
・シャアは10万人をマスでしか見ていない(國分)
・限られた場所で生きていくために知恵を使っていくのが革命(柳瀬)
・メインストリームに対してアンチであるのがロック(海猫沢)
 →ガンダムは一生見ないと思う(海猫沢)
・オタクにとっての理想はニュータイプ革命じゃない?(charlie)
・68年革命で唯一成功したのはアメリカ西海岸で起こったIT革命(中川)
 →どの革命よりも世界を変えた(中川)

○世代と革命
・明日には何か変わるのではないか?という革命願望(開沼)
 →しかし環境が変わると苦労するのはその人自身(charlie)
・優秀でアクティブな学生は知に足がついている(津田)
・オッサンが淘汰されちゃえば世界が変わるのかな(津田)
・必要なのは感情を掬い取るフィルター(津田)
 →それを「世論」として政治家にぶつける(津田)
・政権交代、官僚が若くなった点は良かった(津田)
・結局は新しいブリッジをどう作るのか(津田)
・社会改革と高齢人口との根深い関係(charlie)
 →介護保険制度も革命だったのか(水無田)
 →票田につながらないから社会化されない育児(水無田)
・終わっているけど捨てられないこの社会(charlie)
 →その閉塞感の発散にデモが使われている感(中川)
・想定論ばかりしていても何も進まない(charlie)
・確実に起こること、確実にできることを考えていく(charlie)

             text by Life助手;今野夏希


○Life関連アーカイヴ  

・2007/06/17 「若者文化(ユースカルチャー)」
 http://www.tbsradio.jp/life/20070617/

・2009/01/17「2009年のチェ・ゲバラ」
 (橋本努、白井聡、園良太ほか)
 http://www.tbsradio.jp/life/200901172009/

・2012/02/26「好き好き大嫌い~アメリカ西海岸」
 (塚越健司、松島倫明、西森路代ほか)
 http://www.tbsradio.jp/life/20120226/

参考資料↓

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2012年8月 2日

2012年07月22日「動員と革命〜10万人で何をしようか」放送後記動画

出演:鈴木謙介(社会学者)、開沼博(社会学者)、國分功一郎(哲学者)、
吉田健吾(ブクログ)、大西隆幸(ブクログ)

参考URL

※「ブログ感覚で作れる電子書籍」の快進撃~「パブー」吉田氏に聞く
 http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1011/22/news016.html 

※【小島慶子キラ☆キラ】3時のコラム「コラ☆コラ」
(2012年9月いっぱいでリンクは無効になります)

・「哲学者が薦める絵本」×國分功一郎
 http://www.tbsradio.jp/kirakira/2011/05/20110510-2.html

・「極限状態から考える3冊」×國分功一郎
 http://www.tbsradio.jp/kirakira/2011/07/20110705-1.html

・「"消費"を考える3冊」×國分功一郎
 http://www.tbsradio.jp/kirakira/2011/09/20110927-1.html

・「これからの日本を考えるヒントになる3冊」×國分功一郎
 http://www.tbsradio.jp/kirakira/2012/02/20120228.html

・「中学生に読ませたい3冊」×笑い飯・哲夫
 http://www.tbsradio.jp/kirakira/2012/01/20120124-2.html

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2012年8月 7日

2012年07月22日「動員と革命〜10万人で何をしようか」未読メール1

番組で読めなかったメールからいくつかピックアップして掲載します。

=====

ジーニー 男 20歳 大学2年生

こんばんは、高校のころから聞いていたんですけれど、
初めてメールします。20歳の大学生です。

先日、生まれて初めてデモに行きました。官邸前のデモです。
友達がいっしょに行こう、と言うのでいっしょに行きました。

その日は本当に暑くて、二人で汗だくになりながら、
今年最初の蝉の鳴き声が聞こえて、何年かあとに夏の記憶として
思い出すんだろうなぁと言い合いました。

そのうち、中心部に近づき、いろんな言葉が耳に入るようになりました。
警察の方に誘導されつつ歩き続けていて、「こっちは行き止まりだから
左へ行ってください!」と言われているところを、他の人といっしょに
右へ行きました。すれ違う人が小さな声で「再稼働反対」と呟いている
のが聞こえました。

ぼくと友達はiPhoneで写真を撮りながら、デモの中心にどんどん
入って行きました。声がものすごい勢いで反響していて、ぼくは進み
ながらジャムの匂いがしたから友達に「ジャムの匂いがする」と
言いました。友達は「そうだね」と言いました。
隣の人が声をからしながら「再稼働反対!」と叫んでいました。

ぼくは「本当にデモで叫んでたら変わるのかな」という疑問がどうしても
あったので、結局は最初から最後までなにも原発関係のことを口にせず、
最後の拍手もしなかったのですが、だんだんと同じように声をあげたり、
拍手をしたりしたくなってしまいました。

友達を見ると、ぼくと同じように黙って立ち、目を瞑っていました。
だからぼくも黙ったままだったのですが、そのあいだも体がどんどん
注射で他の人の声を注入されて肥大化していくような、それでいながら
ジャムの匂いを言葉にする自分も感じるという、今まで体験したことの
ない感覚にありました。

きっとぼくが言った「ジャムの匂いがするね」という言葉を、
他の知らない人が聞いて、「なんだこいつ」って思ったんだろうな、
と思うと、ぼくが別の人間に見られながらぼく以外の人と同じ場所に
いることを強く感じました。

終わったあと、地下鉄に乗りながら、地下鉄に乗っている知らない人たち
の体がいつもよりもはっきり見られるようになっていて、そのことを友達
に言うと、「目を瞑ってたらすごく声が大きくなった」と言っていました。
ぼく以外の人がこの世界にたくさんいるんだな、ということが肉体として
実感できたような気がしました。

これからデモに参加し続けるかはわかりませんが、20歳の夏に友達と
汗だくになりながら行った官邸前での感覚を、たぶんずっと忘れないし、
もう以前までとは同じであれないんだなと思えただけで、行ってよかった
と思いました。一つの意見に絞られた場というより、バラバラの自分たち
を強く感じられた、ということです。様々な人に感謝しました。

※ちょっと古川日出男さんの『サマーバケーションEP』を思い出しました(黒幕)


=====

ねじまきゼット 30歳男 福祉職 長野県上田市

仕事柄、対人援助や介助、支援というマンツーマンから1対少人数という
枠組みで仕事をしていることもあってか、なかなか10万人という規模で
考えることにリアルな感覚がありません。

ただもし10万人で何かするというときは何かしらのモチベーションに
なるものが必要なのだということは理解できます。

例えば、数が出ることで結果が見える寄付みたいな行為もそうかも
しれません。クリック募金のようにネットでリアルタイムに寄付の結果
が反映されるサイトがあります。個人的な関心と社会問題に対する具体的
な解決に向けた取り組みがクリア繋がっているように感じるからこそ、
無料でワンクリックするだけという理由以外にも続けるモチベーション
になっている気がします。

10万人が参加しメディアがその効果や結果を可視化しやすくすることで
ある種の実感ややりがいが伴い、個人的なモチベーションと社会問題が
色んな複雑さを飛び越えることで繋がる。それは確かに「使い方次第」と
言えるのだと思いますが、現在の動員の仕組みとして、ネットのメディア
がとても「わかりやすく」参加を促しているように感じます。


=====

鳥山穣 33歳 会社員  Life初代ディレクター

ラジオから人事異動でテレビの政治部にうつり、
首相官邸の中や外で仕事をしながら、毎週集まった人の声を聞いています。

記者たちと話している中で6月始めごろは
「きょうたくさん集まるらしいよ」とか話していたのが、週をおって
増え続ける中で、実際に講義の声がどれくらい聞こえるのか確かめたり、
総理はじめ政治家への質問項目に交えたりと変化は生じています。

もちろん記者の中にも好意的な人、そうでない人、距離感を掴みかねて
いる人、そして取材する人とバラバラですが、共通しているように
見えるのは「よくわからない、うまく説明できない何かがきている」
という認識かもしれません。

それは抗議行動の参加者が熱い人から軽い人、Z会(塾ではありません)
からプロ市民まで混じっているのと同じです。
ふだん、官邸周辺は主に政治家、役人、マスコミ関係者が生息している
エリアですが、いままでになかったような外からの空気に明らかに
戸惑っているというのははっきりしている気がします。
いいかえれば「何だかぞわぞわしている」といった状況でしょうか。

しかし、開沼博さんが週プレで指摘したように「燃料」が尽きれば
減衰して行く可能性は見えますし、そもそも警察の組織的な対応は
相当気合が入っており当日の昼から柵を作ったりと周到な準備も
しています。

自民党の河野太郎議員はDigに出演したときに
「デモをした後は議員会館に陳情へ行ったほうが効果がある」と
話していましたが、金曜の夜は議員が地元に帰るため、もう新幹線に
のっているかもしれません。

一連の動きの中で私が感じたのは「ちょっといってみようかな」
という思いで参加する人が増えたということ。
過去の社会運動が「俺もやるぞ!」という強い使命感に端を発し、
結果として凄惨な殺し合いに至ったことを考えれば大変平和な意思表示です。
この次になにがあるのか、誰かが何かを発明するのか、大変興味があります。

ひとつ指摘しておきたいのは、今回集まった人々が取り囲んでいるのは
国会議事堂でも議員会館でももちろん首相官邸でもなく、記者会館のある
ブロックです。警察の努力の結果、ということですがこれは大変シュール
なことです。

もちろんマスゴミへの嫌悪感から、異議申し立ての相手として記者会館を
取り囲むかどうかは自由ですが、マスコミはツールとして利用したほうが
便利かもしれません。マスコミが信用できないのならば、抗議行動に参加
した方、見に行った方はそれを文字にしてウェブで公開することをお勧め
します。

そして、8時に終わった後には赤坂の町まで降りていってビールなど
酌み交わしながら反省会や次回への打ち合わせ、情報交換などするのは
いかがでしょうか。友達や運命の出会いもあるかも知れません。
赤坂の町から大手企業が撤退していくなか、数万人の参加者は町おこし
にもぴったりです。抗議行動のヘッドクウォーターとして赤坂の飲食店
を利用することは、町内会で活動する私にとっても大変ありがたい話です。
サカスに2時間で数万人はなかなか集まりませんが、
こちらは自主的に集まっている。すごい話です。

ちょっと脱線したのでお便りのテーマについて。
10万人集まれば何をするか。ラジオ制作者としては毎週10万人の
アンケート結果を発表する番組をつくりたいとかそういう思いですが、
10万人いれば選挙区によっては小選挙区で衆議院議員ひとりを勝たせる
ことができます。10万人ってそういう数字です。
まあ政治に期待しないから10万人集まっているんだと思いますが。

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2012年8月 9日

2012年07月22日「動員と革命〜10万人で何をしようか」未読メール2

wingbeat(ウイングビート) 32歳 渋谷区

最近の首相官邸前のデモを見ていると、
かつてJリーグに存在した横浜フリューゲルスのサポーターとして
吸収合併によるチーム消滅を阻止しようと署名活動をしていた
ときのことを思い出します。

いくら「合併反対」と言っても
「スポンサーが金を出せないのだから仕方が無い」と言われたように、
「原発再稼動反対」と言っても「経済が止まるから仕方が無い」
と言われ、そもそも興味が無い人たちには全く声が届いていない、
という状況もよく似ています。

50万人を超える署名を集めたものの結局フリューゲルスが消滅した
時に私が感じたのは

「視聴率の取れない番組が打ち切られてしまうのと同じように、
いつも万単位で人を動員できるサッカーチームが
簡単に無くなってしまっていいのか?」

「結局は資本主義社会では金がすべてなのか?」

という絶望でした。

あれから14年経ちますが、フリューゲルス以降はチームが消滅する
ような事態は発生していません。これは、Jリーグがこの出来事を大きく
受け止め、経営監視体制の強化や地域密着を推進してきたためです。

結局、署名という質量の小さいものではチーム消滅を阻止できません
でしたが、Jリーグの上の方の人たちの意識を変えることはできました。
首相官邸前の大規模デモも、おそらく長期的に見るときっと大きな
影響を与えているでしょう。

前口上でcharlieが

「まずは集まって声を出すことが大事だ」とか言われても
「はぁそうっすか」となってしまう気持ちもある

と書いていましたが、私は

「集まって声を出し続けること」

こそが未来を変えるために大事なことだと考えます。


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ますだ39

毎週金曜日集まるようになって 反原発だけじゃなくて
消費増税反対や、反貧困など思い思いのアピールを
するようになって 政治家だけでなく、一般の人にも
「意見のある奴がそこにいる」というアピールして 
すぐじゃなくていいから10年後20年後に
影響残せるものでいいとおもう。

『官邸前のデモは「無難」。だから効く』と小田嶋隆さんは
おっしゃっているが僕もそう思う。

何も起こってないように思えた以前の自分も、
10年前20年前とは全然違う自分になった。
今、わずかでも変化の動きを取れば10年後には変化はある。
声を上げ。周囲に伝えれば、理解されなかったとしても
いずれその波紋は伝わり続け、変化を促す。

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梅田カズヒコ (株式会社プレスラボ)

動員と革命、わくわくするテーマですよね。
最近のデモについて思う事とつながるかどうかは分かりませんが、
チャーリーの「とにかくたくさんの人が声を上げていく」という考え方と
「専門家がきちんと処方箋を出すのが大事」という考え方の対立
ですが、僕もこの対立は無意味だと思っています。なぜでしょうか。

結論から言えば専門家と大衆はどちらも大きな力を持っているし、
それぞれの立場でやれることがあるので、新しい方法論なんか
考えるまでもないという考えです。

"たいしたことは言えないけど原発に嫌悪感がある人が10万人集まる"
という事実はそれだけでこの国では革命だと思うからです。
事実、それが元となってこのように番組が革命をテーマに据えた
わけですから。

僕はどちらかと言えばメディアや広告の人間なので、そのあたりの
例え話をさせてください。

数年前、広告系の仕事をしている人が話していたのですが、
ある商品Aを売りたい人が、広告戦略として、まずは当時最も流行って
いたSNS、mixiで商品Aに関するキャンペーンをしたりバナーを
出したりして、Aに関する口コミを増やします。

次にAという商品がmixiで話題になっていますよ、
という情報をテレビ番組で流してもらう。例えば朝の情報番組で、
Aがネットで話題です、と紹介するわけですね。
今度はインターネットに戻って来あの「○○テレビ」でも取り上げられた
Aが話題だ、と言うわけですね。

テレビではネットで話題だと言い、ネットではテレビでも紹介された、
と言う。こうしてAという商品はいつの間にか話題になっている。
マス広告が効かないと言われている今、このように戦略的な広告
・PR戦略を行い、商品を売ろうとする企業が多いです。

しかし上記のような戦略的な広告戦略はつまるところ微妙に
印象操作を行っているという事です。ステマ批判がありましたが、
印象を操作されることに多くの人は抵抗を持ちます。

一方で、その商品が本当に世の中にとって価値がある場合、
広告手法は何でも良い、という考え方をする人も居ます。

さて、世の中に価値を生み出すのだから方法は何でも良いという
考え方は、どこかデモに似ています。民主主義の国で民衆が世の中
を変える正攻法は間接民主制を駆使して国会で自分たちの意見を
通すことだと思いますが、選挙でも世の中は変わらない、もっと直接的に、
世の中に訴えたい。

それがデモの意義だと思います。
この方法は問わないという意見に賛同できない人、そもそも有効な方法
ではない、と思う人がデモに熱くなれない人だと考えています。

実は僕も熱くなれない一人です。

しかし結果から言うと、冒頭のテレビとネットを往復しながら商品を
拡散させたように、専門家と大衆、それぞれの人がそれぞれの立場で
横断しながら意見を述べるからこそ、世の中は変わるのだと思います。
どちらか一方で世の中は変わりません。

「原発を止めたいと思い行動を起こす大衆が少なくても10万人居る」
という事実と「研究や知識を積み重ねた専門家が危険性を指摘する」
という事実は専門家はデモに大量の人数が集まっていることを指摘
する事で、またデモ隊が専門家の発言を引用しながら歩く事で、
ちょうど先の広告の話におけるネットとテレビ双方で行った施策のように
お互いに相関しながら説得力を持つことになると思います。

もし何か世の中を変えたい問題があった場合、
それぞれの人がそれぞれの立場で考え抜いた上で勝手に行動し、
実は手段なんて考える必要なんてないんじゃないのかな、
というのが僕の立場です
デモに集うことに対して熱くなれない部分を抱えつつも、とにかく行動を
起こすことに意味がある、というオザケンの話は案外正しいと僕は
思ってます。

ただし補足ですが、デモは暴動に変わった瞬間に大衆に訴えかける
威力を失うと思うので、先鋭化しないことを祈ってます。

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2012年07月22日「動員と革命〜10万人で何をしようか」未読メール3

地方の地方在住 29歳 男性

大規模な動員が可能になったと仰っておられますが、今の様子では
そのことがポジティブな結果をもたらす可能はほとんどないと思います。
何をどう変えてどうしたいのか?どういう状態に持っていきたいのか?
そしてそのためにどういう犠牲を払うのかがあまりに明確でないからです。
きれいな話ばかりが聞こえてくる昨今の動員や革命の話はなんか
うさんくさい。

最近思うのは"作らなくてはならない"という事です。
何かを変えたり革命したりした後、また何かを作らなければならないですが
それを作り出せるのはただの市民では不可能に近い。
無い知恵は出てこないです。
そんな中で可能性があるのはやはり教育だと思います。
作れる10万人を集めるための10万人プロジェクトといった感じです。
20年近く前にネットを始めたころから教育について言われていたように
思いますが、実現したとは言い難いのではないでしょうか。
でも最近iTunesUやcouseraやudacityなど少しずつ始まってきては
いますよね。もっともっとこの分野が広がってくると違った景色が見える
気がしてとても期待しています。

社会企業家の方々が注目を浴びるのも、自分たちで行動し
人も金も回すサイクルを作っている稀有な存在だからではないでしょうか。


======

ロハス大塚

京都在住、関西電力本店の近くで働く会社員です。

大井原発が再稼動される1週間前の6月22日(金)から毎週、
関電本店前の抗議行動に参加しています。
きっかけはツイッターのタイムラインでしたが、「再稼動反対」
という明確な意志を関電社員の方達に訴える為に参加したというよりは、
「変えたい気持ちはあるけれど、デモや抗議行動で何が変わるのだろうか?」
というモヤモヤした想いを抱えたまま、参加しています。

今回のテーマ「10万人集まったらどんなことができるか」、
古典的かもしれませんが私の答えは、「結社」です。
(紫陽花革命という名称もあるらしい)この度の官邸前抗議行動は
「再稼働反対」というシングルイシューになっていて、それが多くの人を
集めたポイントだと思いますが、「対案がない!」という批判は、
今回の抗議行動が原発であれ再稼働であれ「反対」というシンプルな
主張だからこそ、ですよね。

なので、この「再稼働反対」で集まった10万人全員が同意できる
具体的なソリューション、ということで考えてみたのですが、

1.当面メインの電源は原子力発電ではなく火力発電、
2.火力発電に伴う高い電気代は支払う。
この2点に同意できる人が集まる「節電結社」を結成したいです。

この2点へのコミットメントだけだと、既存の政党への支持や特定の業界
への所属とは関係ないところで、誰でも「共闘」できると思います。

個人や家庭の節電だけでは電力不足への対策にならないといった
意見もありますが、10万人の中には、工場など生産現場の運営に
携わっている人や電力会社の社員、会社のエアコンをコントロール
できる総務担当の人も混じってくれるでしょうし、
10万人から人もどんどん増やせると思います。

デモで色んなポスターやプラカードを見て、私も何か書いて持って行こう
と思って考えたのですが、「原子力より火力」というプラカードは、
デモの参加者からも「その主張、正気ですか?」と突っ込まれました。
今回は「再稼働反対」というシンプルな主張だからこそ、政治的な問題
でも人を集められましたが、もう少し複雑なイシューだと10万人を集める
のは難しいと思います。そういう意味でもプラカードに何を書くかというの
はとても難しいなと感じました。

追伸:
みんなでやれば節電も楽しくできる!という井上明人さんの電気メーター、
素晴らしいですよね!

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2012年8月20日

2012年08月26日Part0(予告編)「"楽しくやろう"というけれど...」

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今月のLifeは

「"楽しくやろう"というけれど...」

8月26日(日) 深夜25:00~28:00 (=月曜1:00~)



※再生できない場合は、個別ページTBSラジオクラウドにてお聞きください。
※最新エピソードはユーザー登録なしでお聴きいただけます。

出演(本編&外伝):
鈴木謙介(charlie・関西学院大学准教授・社会学者)
山内祐平(東京大学大学院准教授・学習環境デザイン論)
常見陽平(作家・大学講師)
速水健朗(ライター)
西森路代(ライター)
赤木智弘(ライター)
柳瀬博一(編集者・日経ビジネスオンライン)
斎藤哲也(フリー編集者)
海猫沢めろん(小説家)
下司晶(日本大学准教授・教育哲学、教育思想史)
塚越健司(一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程・ハクティビズム研究)

予告編の出演:鈴木謙介(charlie)、速水健朗、斎藤哲也、西森路代、長谷川裕P(黒幕)

Ustreamによる動画生中継も行います⇒ http://ustre.am/lrQf
(オフエア時はスライドショーを表示しています)

※インターネットでラジオを聴くラジコではラジオをお持ちでない方も
パソコンで音楽も含めて放送と同じものが聴けます(エリア内のみ)。
スマホの方はラジコアプリをご利用ください。

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charlieです。

この夏は、とにかくオリンピックが話題でしたね。
といっても僕自身は、そんなに夢中になって見ていたわけでは
ありませんが、ただ、ニュースなんかで見ている限りでしたが、
色んな選手が「楽しんでプレーしたい」「結果はともかく楽しくやれた」
といったことをおっしゃっていたのが印象に残りました。

実はいま、世界のトップアスリートだけではなく、色んな職場や教育機関
などで、この「これまでは辛いことだと思われていたことを楽しんで
やれるようにしよう」という取り組みが進んでいます。
実際、その方が仕事にせよ勉強にせよ、成果が上がるという結果も
出始めています。

そうなってくると、どんどんやった方がいいとなりそうですが、
実際、そんなことできるのか?という風にも思います。
会社でも部活でも、「へらへら笑って取り組むとは何事だ!
遊びじゃないんだぞ!」と怒り出す人はいそうですし、楽しめって
言われて楽しめれば苦労しない、というタイプの人だっているはずです。

というわけで今回は、「『楽しくやろう』というけれど...」
というタイトルで、何事も楽しんでやるのがよいのだ的な風潮に対して、
楽しめない人はどうするんだ、本当に楽しいばかりでいいのか、
どうやって楽しめというのだ、などなど、各方面から揉んだり突っ込んだり
分析したりして考えてみたいと思っています。

リスナーの皆様からも、「仕事や勉強、部活など、努力や結果を
求められることを、あなたは楽しくやれていますか?

というテーマでメールを募集します。

「楽しくやれている」という人は、どんな風に楽しむ工夫をしているのか、
どんなきっかけでそういう風に楽しめるようになったのかなど、
「楽しくない」という人は、その理由や状況なんかも教えてください。
また、「職場の若い奴は仕事の苦労から逃げてばかりで困る」とか
「いつまでも眉間にしわ寄せておつきあい残業とかマジ辛いっす」といった
「楽しむこと」「苦労すること」にまつわるメールもお待ちしてます。

メールアドレスは、life@tbs.co.jp

ぜひお早めにお願いします!


※参考URL⬇

・「Life公開ゼミin早稲田」part2 文化系大学生の就職活動
 http://www.tbsradio.jp/life/2007/12/lifeinpart2_1.html


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2012年8月26日

スポンサー「ブクログ」さんからのおしらせ

Lifeのスポンサー、ウェブ本棚サービス「ブクログ」さんが、
お互いの本棚を通じてリスナー同士が交流できるページ
作ってくれました。

まず「ブクログ」に登録して、自分の本棚を作り、
設定ページでプロフィールタグに「life954」と入力して、登録。
そのあと、表示させたい本(自分の本棚に登録しておく必要があります)
のレビューを書くページに進んで、タグに「life954」とつけてください。

詳しくはこちらをご覧ください⇒ http://bit.ly/PGCy6I

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2012年8月29日

2012年08月26日Part1「"楽しくやろう"というけれど...」

撮影:石垣星児(BLOCKBUSTER)   撮影:会田邦秋
btl_531.jpg  IMG_2628.jpg
      鈴木謙介さん(charlie)          斎藤哲也さん


※再生できない場合は、個別ページTBSラジオクラウドにてお聞きください。
※最新エピソードはユーザー登録なしでお聴きいただけます。

○楽しくやろうという指導、楽しくやれない事情
・「辛いことに意味がある」から「楽しくやろう」へ(charlie)
 →どうやったら楽しくやれる?楽しくやるのでいいのか?(charlie)
・外しても笑って次に繋げる、モチベーションコントロールの指導(速水)
・選手本人のマインドではなくてコーチングを問題にしたい(charllie)
・みんなで笑って前を向こうぜ...そういうのは気持ち悪い派です(速水)
・楽しそうに見えないってずっと言われてきた(西森)
・楽しくやろうと言えないロスジェネの世代感(charlie)
・職場のモチベーションコントロールとしての「楽しくやろう」(charlie)
 →リクルートというとても罪深い会社がありまして...(常見)
・踊らされているという感覚と楽しまなきゃという感覚の狭間(常見)
・ハッカーの「Just for Fun」(塚越)

○楽しさというモチベーション
・オリンピック選手の「楽しむ」と「仕事を楽しむ」の違い(リスナー)
 →気乗りしないけれど前向きに楽しめるように頑張る、とは違う(リスナー)
・ロックスターになった気分で授業をする、授業=ギグ(charlie)
・モチベーションが広まったのはこの10年くらい(常見)
 →元は戦場に兵士を送り込むということの延長だった(速水)
 →悪く言えば洗脳のようなもののポピュラー化(速水)
・普通の人がキラキラ輝くという痛さと、
             そうでもしないといけないということ(charlie)
・スポーツを楽しむのはキャプテン翼の影響が大きい?(斎藤)
 →敵が強くなるほど試合中に笑うキャプテン翼(斎藤)

             text by Life助手;今野夏希


○Life関連アーカイヴ  

・2010/08/29「Life白熱教室~これからの"社会"の話をしよう」
(萱野稔人、飯田泰之、久保ミツロウほか)
 http://www.tbsradio.jp/life/20100829life/

・2011/11/27「ゲームと社会設計」
(米光一成、濱野智史、井上明人、神里達博ほか)
 http://www.tbsradio.jp/life/20111127/

・2012/07/22「動員と革命~10万人で何をしようか」
 (國分功一郎、開沼博、井上明人、水無田気流)
 http://www.tbsradio.jp/life/2012072210/




参考資料&選曲↓

このパートでかけた曲
●SMAP "突然の夏"(charlie選曲)
http://www.johnnys-net.jp/page?id=artistTop&artist=6

●沖田浩之 "燃えてヒーロー"(斎藤さん選曲)

BGM↓
●The Housemartins "Happy Hour"
http://www.allmusic.com/artist/the-housemartins-mn0000078886/songs

●Prince Buster "Enjoy Yourself"
http://www.allmusic.com/artist/prince-buster-mn0000359494/songs

●The Who "Happy Jack"
http://thewho.com/

●大滝詠一 "FUN x 4"
http://www.fussa45.net/

●Flipper's Guitar "Joyride"
http://hihumiyo.net/
http://www.cornelius-sound.com/

●School Of Language "This Is No Fun"
http://www.allmusic.com/artist/school-of-language-mn0000666714/songs



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2012年8月30日

2012年08月26日Part2「"楽しくやろう"というけれど...」

撮影:石垣星児(BLOCKBUSTER
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           山内祐平さん(東京大学大学院准教授)

※山内祐平「10年後の教室」:PC Online http://nkbp.jp/QVuZoI


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                   常見陽平さん

※常見陽平公式ブログ「試みの地平線」 http://blog.livedoor.jp/yoheitsunemi/



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○仕事を楽しむ?
・楽しくやろう、繋がろう、が目指すのは平均値の押し付け?(リスナー)
・楽しく仕事をすることと仕事を楽しむことは違うのか?(リスナー)
・職場や内定者の中でのリア充圧力(常見)
・淡々と仕事をする権利も認めるべき(常見)
・楽しむというのは仕事上ただの手段(柳瀬)
 →楽しそうか楽しそうでないかはアウトプットに関係ない(柳瀬)
 →楽しいと思ったことがない、とはっきり言うスポーツ選手もいる(柳瀬)

○モチベーションとインセンティブ
・人間を夢中にさせる、没頭させるものは純粋な快楽、楽しさ(リスナー)
・チクセントミハイのフロー体験...内発的に行動することの楽しさ(山内)
・動機付け...モチベーションとインセンティブの違い(charlie)
・やらなきゃ死ぬからセルフモチベートしてやるしかない(海猫沢)
・最近アマゾンで神棚を買った(海猫沢)
 →神棚ってもしかしたら昔の人のセルフモチベート?(海猫沢)

○宗教と一体感
・神棚の置いてある会社ってわりとブラック...(西森)
・初出社の日にみんなで初詣に行く(常見)
・ミッションステートメントと企業理念の違い(charlie)
 →企業というのは誓約集団(常見)
・一体感の楽しさ、アイマスのライブは時間が経つのが早い(赤木)
 →フロー体験だ!(charlie)
・同調圧力の中に入っちゃえば楽しいだろうからこそ、憎らしい(赤木)
・入れるんならいいけどさあ...という感覚(charlie)
・会社の行事に参加したい、という人が増えている(charlie)
・仕事におけるインセンティブとモチベーションの乖離(charlie)

             text by Life助手;今野夏希


○Life関連アーカイヴ  

・2011/05/22「信じる論理、信じさせる倫理」(鏡リュウジほか)
 http://www.tbsradio.jp/life/20110522/

・2009/09/27「"居場所"の現在」(西田亮介ほか)
 http://www.tbsradio.jp/life/20090927/



参考資料&選曲↓


このパートでかけた曲
●ムーンライダーズ "HAPPY/BLUE'95"(赤木さん選曲)
http://www.moonriders.net/


BGM↓
●Georgie Fame "Pride & Joy"
http://www.allmusic.com/artist/georgie-fame-mn0000543055/songs

●The Beach Boys "Fun, Fun, Fun"
http://www.thebeachboys.com/

●The Isley Brothers "Fun And Games"
http://www.allmusic.com/artist/the-isley-brothers-mn0000766893/songs

●Paul Simon "Have A Good Time"
http://www.paulsimon.com/us/home

●Shonen Knife "Cycling Is Fun / サイクリングは楽し"
http://www.shonenknife.net/index.html

●Madness "House Of Fun"
http://blog.madness.co.uk/




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2012年8月31日

2012年08月26日Part3「"楽しくやろう"というけれど...」

撮影:石垣星児(BLOCKBUSTER)   撮影:会田邦秋
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      西森路代さん              赤木智弘さん



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○親和動機とアルバイト
・お金というインセンティブ、好きだからというモチベーション(山内)
・日本人とアメリカ人、親和動機と達成動機の違い(山内)
・インセンティブが不安定な仕事こそ内から湧き出る物が必要(charlie)
 →「人のため」という言葉の横行(charlie)
・オープニングスタッフって楽しそうに見える(西森)
・ウーマンラッシュアワーの「バイトあるある」(西森)
・採用・研修用のパンフレットのありがとう話集(常見)
 →ありがとうって言われるのってそんなに嬉しいの?(charlie)

○仕事の楽しさ、やりがいと格差
・仕事はお金を得るための労働...面白みを感じない(リスナー)
・しかし自分の意見が反映され少しでも希望があれば楽しい(リスナー)
・楽しもうと思えば楽しめるのもそれはそれでいいけど...(charlie)
 →それってブラック企業に騙されてるだけ?(charlie)
 →やりがいの搾取を考えてしまう(赤木)
 →非正規だけど...というのは美談なようで危険な面もある(常見)
・「事務仕事を丁寧に、きっちりやる」ということへの評価(西森)
・今の状況を変えたいのならまず人材派遣会社に行くべき!(常見)
 →会社の中でやれることを作るというのはいいと思う(速水)
・安定している立場の人ほど余裕をもらえる、という格差(charlie)
・目の前にある現実と社会との断絶への憤り(赤木)
 →世の中の逆転の理不尽さ(charlie)
・自分の意見が通らない人もいる中で、それが通ることの価値(西森)
・ダメ出しするよりも褒める所を褒めるジャニーズ...アリだなぁ(速水)
 →ポジ出しですね(charlie)
・高い期待を設定しないということが楽しいに繋がると思っている(西森)

             text by Life助手;今野夏希


○Life関連アーカイヴ  

・2012/03/25「理想の職場」(常見陽平、水無田気流、大串尚代ほか)
 http://www.tbsradio.jp/life/20120325/

・2011/01/30「承認社会の承認されない私」(橋本努ほか)
 http://www.tbsradio.jp/life/20110130/

・2008/11/30「第2ロスジェネ?~新・就職氷河期の生き方」(梅崎修ほか)
 http://www.tbsradio.jp/life/20081130/



参考資料&選曲↓


このパートでかけた曲
●F4 "流星雨"(西森さん選曲)
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/F4/


BGM↓
●The Explorers Club "Sweet Delights"
http://www.allmusic.com/artist/the-explorers-club-mn0001766801/songs

●佐野元春 "楽しい時"
http://www.moto.co.jp/

●Pearly Gatecrashers "Good Time"
http://www.myspace.com/pearlygatecrashers

●Mercury Rev "Good Times Ahead"
http://www.mercuryrev.com/

●The Beau Brummels "In Good Time"
http://www.beaubrummels.com/

●Public Image Ltd. "Happy?"
http://www.pilofficial.com/


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