2015年02月22日Part0(予告編)「No Music, No Life?~音楽はいまどう聴かれているのか」
「No Music, No Life?~音楽はいまどう聴かれているのか」予告編
※再生できない場合は、個別ページかTBSラジオクラウドにてお聞きください。
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2月22日(日) 深夜25:00~28:00 (=月曜1:00~4:00)
出演予定:鈴木謙介(charlie)、佐々木敦、速水健朗、西森路代、
矢野利裕、柴那典、柳樂光隆、常見陽平、永田夏来ほか
予告編の出演:鈴木謙介、速水健朗、西森路代、斎藤哲也、長谷川裕P(黒幕)
※ラジコではインターネットで放送同様、音楽も聴けます。
※Ustreamによる動画生中継も行います⇒ http://ustre.am/lrQf
※ツイキャスでも中継します→ http://twitcasting.tv/life954
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charlieです。
昨年末の放送のとき、自分の曲を流してもらうついでに僕は「たとえばイベント会場でEDMが流れるとき、音楽ってどういう役割を担うんだろう」という話をしていました。もちろん音響演出が主なのですが、じゃあなんで「大勢で」「同じ音楽を」「大音量で」聴いているのか。
たとえば今の技術レベルなら各自がBPM(テンポ)だけが同じ別々の曲をヘッドホンで聴きながら、ヘッドセットでヴァーチャル・リアリティの世界でダンスフロアを楽しむことだってできるはず。というかイヤホンで音楽を聴きながら人々が黙々とランニングマシーンの上を走るスポーツジムなんかは、ほぼそういう状態になっているかもしれない。
「音楽」、特に音楽産業のコンテンツとしての大衆音楽が、ときに「社会」を反映するものだと思われていた背景には、まさに大衆や、少なくとも個人のつながりを超えた大きな集団がリスナーとして存在し、楽曲の価値を享受し、消費していたことがあります。その中でも最大のサイズが「国」の文化圏。だから音楽は歴史的にも、ナショナルな意味を持つイベントで戦略的に用いられてきた。
ところがこの「聴かれるサイズ=大衆性」に依拠した音楽のとらえ方は、現在では相当に困難なものになっていると思います。メガヒットが生まれない、枚数は売れているのにファン以外はまったく知らない楽曲ばかりがチャートに並ぶというのもそうでしょう。でもこれだけなら、チャートの問題であって、「本当に支持されている曲」は別にあるようにも思える。
そうじゃないんじゃないだろうか、というのが今月のLifeの中心的な関心です。
たとえば音楽のデジタル配信や聴き放題サービスの登場によって、音楽はかつてよりもたくさん持ち歩ける、アクセスできるものになったはずなのに、周囲を見渡してみるとiPhoneに入っている曲は10数曲、という人が少なくありません。そこで聴かれているのも、ミュージカルのサントラや中高生の頃に聴いていた曲だといいます。
もしかしたら、もう音楽って日常生活において、そんなに大きな意味や価値を持っていないんじゃないだろうか。せいぜい「走るときの気分を高めたい」とか「しんみりした気分に浸りたい」といった「コンディションメイキング」という機能的な役割しか求められていないんじゃないか。そんな疑問から今月は「No Music, No Life?~音楽はいまどう聴かれているのか」というテーマでお届けします。
リスナーの皆さんからも「あなたはいつ、どこで、どんな音楽を聴いていますか?」というテーマでメールを募集します。かつてはこんな風に聴いてたけど、そういえば最近はCD買ってないなあとか、いまでもドライブにはこの曲が欠かせないとか、そんなメール、お待ちしてます。
メールアドレスは life@tbs.co.jp
メールはぜひお早めにお願いします!
ちなみに推測ですが、実際のデータをよく調べるとこの話はきっと、「昔はごく一部を除いてほとんどの人がそのくらいか、それ以下の関心しか持ってなかった」「音楽コンテンツの売上が右肩上がりだった時代のほうが異常なのであって、音楽への大衆的な関心な依然として高い方だ」という結論になるのだと思います。ただ僕が気になっているのは「人々の関心の量」というよりは、そういうものがあることを前提に築かれてきた「音楽の価値」のゆくえです。
佐々木敦さんの『ニッポンの音楽』では、内と外の差異が明確であった時代に生まれた70年代以降の日本のポピュラーミュージックが、J-POP全盛期を経ていまや内外の境界を失い、その立脚点を喪失していく過程がアーティスト視点から時代史的に述べられていました。今回の話は、それを社会の側から見返したときに存在していた「洋楽っぽい=オシャレ=デートに使える」「四畳半=しんみり=内省」といったコード(価値基準)が溶け出し、共有できなくなっているんじゃないか、という疑問からスタートしています。
なので、メールでも少し深掘りして「いま音楽って何のために聴くのか」みたいな考察も寄せてもらえたらなと思っています。今回はその佐々木敦さんもスタジオに登場ということなので、『ニッポンの音楽』のLife編のような話もできたらいいな、と思っているので。
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