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「日本のネットは進化したのか」未読メール特集

次回「バンドやろうぜ」の放送が近づいていますが、
その前に、前回「日本のネットは進化したのか」(6月28日)の
未読メールをいくつか紹介します。

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ワンタン麺さん

こんばんは。たまたまネット配信をしているという話を聞いて、初めて聞かせていただいております。

ご存知ではないかもしれませんが、ニコニコ動画関連のネット発企画で"桜ノ雨プロジェクト"というものがあります。企画内容は、初音ミクのオリジナル曲である「桜ノ雨」という卒業ソングを全国の学校で合唱してもらいたい!という気持ちから始まったものです。

私は、去年その企画の立ち上げ段階から携わってきました。
結論から言えば、2008年度の卒業式では、ご報告をいただいただけでも、119校もの学校で合唱していただくことができました。また、新聞・テレビ等のメディア、学校配布物の冊子などにも取り上げていただきました。
企画立ち上げ段階では、ネット上でスタッフを募集して、まったく会ったこともない見ず知らずの人達とスカイプで話し合いを重ね、メンバーとの情報共有のためにgoogleのサービスを使ったり、ニコニコモンズやさまざまなサービスを利用したりと企画を進めて行きました。個人的にもネットという存在により、世界観が大きく変わりとても良い経験となりました。

昨今、ネットといえば負のイメージが強いですが、まだまだ可能性をもっているツールであると思います。問題点も多いですが・・・。

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台所さん 埼玉県深谷市 19歳

最近で最も驚いたのはtwitterです。

物心ついたころから携帯が身近にあった身なのですが、友人との連絡はメールで「今何してる~?」だったり、かなり親しい友達とはメッセンジャーやskypeで様子を探らざるを得ませんでした。
しかしtwitterならば様子を探る以前に現状が分かり、さらに自ら現状を伝えることで、悪いタイミングで連絡が入る機会が減るのではないかと思い、何の脈絡もない電話の呼び出し音に敵意を持っていた私には吉報だと思えました。

そんな低次元の期待をぶち破ったのがイラン大統領選で反対運動にtwitterが利用されたことです。
私の低次元の想定では手の範囲に収まる小さい枠でしか利用できなく、昨今の炎上を避けるためにインターネット上のコミュニケーションの幅を狭める方向での想像でしかありませんでした。
しかし、イラン大統領選でのtwitterの利用のされ方は掲示板より身近でない、しかし臨場感を持って心に打つメッセージ伝えうるツールである事に、私のインターネットの知見が広がる思いがしました。

というわけでlifeをtwitterで呟いてみました。フォローは4人で全員スパム的な認証もしていない外国人ですが...。


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natsunatsuさん
たけしのオールナイト以来、ラジオに帰ってきた40歳

べたですが、ネットで『これはすごい』と思ったことと言えば、ポッドキャストですね。

たけしのオールナイト以来、ラジオから離れていた私がストリームやLifeに帰ってきたのはポッドキャストのおかげです。

ポッドキャストなしにLifeは存在しえない訳ですし。そして、人と話すことの楽しさも思い出させてくれました。

ラジオが時間と空間の壁を限界を超えたわけです。(だって、リマからメールが来るくらいですから。。。)

インターネットのストックとしての可能性を表していると思います。

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どっぷさん 28歳

ネットの発達により、匿名による個人の誹謗中傷などが起こるという弊害も度々ありますが、僕のような、セクシャルマイノリティーは、ネットの匿名性によって大きな恩恵を受けたグループだと思います。

ネットでは、ミクシイや匿名性の強い出会い系チャットなどの様々なツールがあるおかげで、個人の匿名性をある程度自分の意志で調節できた上で、同じ仲間と知り合える機会が多くなりました。

また、かつての出会いの場のひとつであったゲイバーと比べて、ネットは金銭的な意味でも、空間的な意味でもコストが安いため、若いころからこっちの世界で友達を作って遊んだり、ネットでつながったりと一人で孤独に悩みを抱えたまま過ごすセクシャルマイノリティは減ったと思います。

僕たちにとって、ネットは孤独や悩みを解消してくれるツールであり、とても偉大なものだと感じています。


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きゃらたまごさん 30歳 女 建築設計士

私が、ネットで一番進化したな~と思うのはSkypeなどのインターネット電話サービスです。

仕事上、図面や絵を見たり描いたりしながら打ち合わせをすることが多いのですが、Skypeを利用することで、どんな場所の相手とでも、絵を見せながらの打ち合わせが可能になりました。遠い場所にいる相手との、その場で図面上に描き込みながらの打ち合わせ、そしてお互いの顔を見ながらの打ち合わせは、
数年前までには考えられないことでした。
インターネット電話の進化で、クライアントもパートナーも地域が幅広くなりました。世界中どこにいる相手とでも、顔を見ながらリアルタイムに会話できるというのは、今のところ私にとって一番進化したな~と思えるインターネットサービスです。

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ぐたろうさん 35歳 自営業 グアム在住

インターネットの進化の歴史は「大きな物語」の終焉の歴史だといえると思います。
まず興味深いのは商業インターネットがアメリカで始まったのが、米ソ冷戦が終結した1989年であるということです。米ソ対立構造の冷戦こそは構造主義の極限だったといえると思いますが、その崩壊以降の20年間は国際秩序のアクターがイデオロギーによって裏づけされていた陣営からブロック、国家、そして民族とどんどんクラスタ化していく歴史でした。

そして今、誕生から20年経たインターネットは、技術とインフラの進歩により長年続いてきたもうひとつの「大きな物語」すなわちメディアの「構造」を変容させようとしています。

従来型のメディアはイデオロギーの代弁者としての新聞社から始まり、その資本の下、圧倒的な訴求力を武器に巨大化したテレビと、大本営からの情報を浴びせるという方法を採り続けており、人々はその「構造」に与していました。
しかしネットの発達と成熟によりようやく人々は年齢、性別、趣向や所得などのデモグラフィック別に簡単に情報を引っ張り、そして発信することができるようになってきたのです。(=情報アクターのクラスタ化)

このことはネット広告費の伸張を見れば明白で、かつて広告4媒体と呼ばれた新聞、雑誌、ラジオ、テレビの中でネット広告はすでにラジオ広告費と雑誌広告費を抜き去り、新聞広告費にさえ迫ろうとする勢いです。

これは単なるメディアの栄枯盛衰史ではありません。われわれを取り囲む世界の変化が、IT技術の発展により、ついに「認可」という名の政府規制に守られていたメディアの世界にも及んだということなのです。

そしてその結果、ついに真のポストモダンの世界が訪れるかも知れないのです。しかしその世界はもちろん未知のものであり、誰も真の姿は知りません。つまりこれから私たちは、望もうが望むまいが、インターネットの進化により前人未踏の領域に足を踏み入れることになるかも知れません。

そうなったとき、われわれが羅針盤として頼れるのはあるいは哲学や思想といった非実学的なものだけとなる可能性があります。

かつての時代の革命期と同様、これまでになく思想家や批評家の果たす重要性が増していくのかも知れません。


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