前回の「現代の現代思想」、さすがに熱いメールがたくさん来たので、
読めなかったメールをいくつか紹介します。
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ラジオネーム:サンボマイスターさん
僕にとって、もっとも「思想」と呼べるものはアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』です。
"現代思想"っぽいテーマや用語が登場する作品ですが、そうした部分ではなく、
この作品を体験することでいろいろな人の人生が確実に変わったこと。
それをもって「思想」だったと感じています。
ようするに、いわゆる実学的な知識や、アカデミックな専門知とは別なところで、
人を強く動機づける知的なものが「思想」だと思っています。
でも、最近はそういうものになかなか出会えません。
僕がトシをとったのか、世の中がつまらなくなったのか、
どっちなんでしょーね(愚痴)。
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21歳童貞大学生もりしさん
僕にとっての思想の根源は中学時代に出会った、GOING STEADY、
銀杏BOYZの峯田和伸です。
最初は「よく分かんねーけどスゲー」という感じで「感染」しました。
以来、"精神的童貞道"を極めるべく日々オナニーに励んでいます。
まぁ身体的にも童貞なんですけど。
峯田は存在自体が思想です。
何と言うか「宿命の外」を選び取るための光というか、<オマケ人生>を
生きるための糧というか、よく分かんないけどすごいんです。
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金のたぬきさん
私は35歳、ドイツ系の会社でエンジニアをやってます。
仕事上、ドイツ人のおじさんと付き合いが結構あるのですが、一緒に
飲みに行ったときとかにヘーゲル、マルクス、調子に乗ってハーバマスとかを
会話で出したりしたことがあります。
所詮理工系出で、それぞれの著作を読んだわけでなく、佐藤優さんとか
仲正昌樹さんとかの著作を何冊か適当に読んだだけのいい加減極まりない
知識なのですが、日本人がそんな引用をするのがおもしろいらしく、
「日本人はマルクスを学校で習うのか?」とか結構いい話のネタになりました。
日本ではベビーブーマーにマルクスが流行ってたとか、マルクス経済学の学者が
今でもずいぶんいるみたいだよ、なんて話は彼らにとって不思議に感じるようです。
また日本の思想というのも彼らにとって新鮮なようで、ほかのときに、トヨタは
自動車業界のポストモダンだ、とか言って、動物化するポストモダンの話をしたら
(理解があってるかどうかは知りませんが)、なんだか妙につっこまれて結構な議論
になってしまったこともあります。
なお、あんまり難しいつっこみは訳せないのを言い訳にごまかしました。
まぁ訳せないというのも事実なのですが。
いずれにせよ、ドイツ人は国民性なのか議論大好きな人が多いので、おじさんと
飲みに行くときに、日独の思想的なネタをいくつか持ってるといい共通の話題に
結構なるなぁ、という印象はあります。