塚越健司です。
久保田ディレクターと私で配信してきた本編とは別のプロジェクト。「塚越健司成り上がり計画」の第3弾です。 「嫌われる勇気」「ファッション」といったテーマでやってきましたが、今回のテーマはやや弱気なものです。
みなさんは、文化系という職業といえばどのようなものを思いつくでしょうか?大学教員や作家、ライターや編集者など、Lifeで活躍する方々を思いつく人も多く、またリスナーの中には実際にそのような職業に憧れを持つ学生さんも多いと思います。
塚越もかつてはLifeの1リスナーであり、様々な憧れとともに、ようやく番外編の司会まで漕ぎ着けました(笑)。同年代の同業者より恵まれているかもしれません。でも、だからといって人生オールオッケーというわけでもありません。実際は不安だらけです。
そこで今回のテーマは
「文化系で食べるためには」
という直球のテーマにしました。
政治的、経済的に不安定な状況が続いていることはもちろん、さらにネットの暴走だとか、炎上だとか、文系大学の未来が怪しいといった話をきくたびに、未来に対する不安が頭をもたげます。いくら私が「嫌われる勇気」を身につけているからといって、炎上が怖くないないわけではありません笑 ただ、炎上ばかり気にしていても、面白いものは書けないし・・・この職業でずっとやっていけるんだろうか。昭和にあったと考えられていたような豊かな未来幻想が欠如しているが故に、剥き出しの自分が社会に放り投げこまれたような気もします。
一方で、ハロウィンをはじめとしたSNS中心の盛り上がりなど、一年中常に不安とお祭りを繰り返すこの社会では、ともすると何が自分にとって重要であるかを見失いかけそうになります。
もちろん、統計データを参照すればそこまで社会は悪くなってない、見方もあるでしょう。それでも、肌感覚では社会の旗色が悪いと感じる。この不安は何なのでしょうか。そして、抽象的にではあるけれども、この先職業としては不安定な「文化系」という仕事で、我々の未来はあるのでしょうか。
将来の不安を抱えればこそ、安定的な未来を志向する人も増えます。一方で、それでも好きなことで食べて行きたいと考える人もいます。両者に共通するのは、未来に対する構えをどうするか、ということです。
しかし、経済的な観点はもちろんのこと、炎上リスクやSNS上のトラブルといった観点からみた未来への構えは、一言で言えば「リスクヘッジ」です。リスクヘッジは重要ですが、それは「論点先取」、つまり未来の先読みとそれに対する際限のない対処です。リスクヘッジの先にある未来とは何か?この点を考えてみたいわけです。
リスクヘッジの思考は重要ですが、リスクを100%回避することも難しい。かといってなんでも来い!というマッチョな態度もまた、多くの人にとって難しいように思います。では論点先取の思考から離れて、どのような未来を見据えることができるのか。ゲストを交えて議論したく思います。
今回もゲストは多彩です。まず、社会学者の宮台真司さんです。宮台さんといえばそれこそ論点先取することなく、炎上も恐れず、90年代から今なお第一線で活躍している方です。90年代と今の若手。一体何が違うのか。宮台さんの目からはどう見えているのでしょうか。
さらに、最近発売された著書『潜行』が話題で、地下アイドルとして記事執筆や司会等としても活躍されている、姫乃たまさんもお呼びします。地下アイドルという立場から、どのように未来を見据えていくのか、現状の問題点なども踏まえて議論したいと思います。
その他にも、毎回番外編に出演いただいているライターの宮崎智之さんなど、多くのゲストが登場予定です。今回は私を含めてそれぞれの個人的な話題も多くなることから、特定のメールテーマは募集しません。その代わり、このテーマでどうしても言いたいことがある、という方は
メール
life@tbs.co.jp
までお願いします。
恐らく、今の若手が特別、辛い状況にあるわけではないでしょう。それこそ宮台さんは、もっと辛い時代を切り開いてきた人なわけです。しかし、今の若手にしかない「しんどい状況」もあるわけで。現代の文化系に立ちはだかっている壁は何なのか、我々はどうやって食べていけばいいのか?「ど直球なテーマ」を若手を中心としたメンバーで議論していきます。
「文化系で食べるためには(番外編)」予告編
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